「遠視のカラコンを探してるけど、少ない……」
「遠視用のカラコンってどこで買えるの?」
そんな悩みや疑問をお持ちではありませんか?
確かに、遠視用のカラコンは見かけませんし、売っている場所もよく分かりませんよね。
遠視の方向けのカラコンは存在するものの、その種類は少ないのが現状です。
この記事では、遠視用のカラコンの仕組みや度数の見方について、詳しく解説します。
1.遠視とは?
まず、遠視の見え方や原因、そして近視・老眼との違いについて見ていきましょう。
遠視の症状と原因
遠視とは、網膜より後方でピントが合ってしまう目のことです。
網膜は眼球の内側で光を感じて映像化する部分で、ここにピントが合わないとモノがよく見えなくなります。
遠視は遠くを見ても近くを見ても視界がぼやけるため、常にピント合わせが必要です。
そのため眼精疲労が起きやすく、ひどくなると痛みや肩こり、頭痛、吐き気といった症状を引き起こします。
遠視の原因は、眼球の前後の長さが短いことによるものです。
また、遺伝の影響が強く、治療する方法は基本的にありません。
社会生活に不便を感じるほどの遠視であれば、遠視のレベルに合わせて作ったメガネやコンタクトレンズで視力を補います。
近視との違い
近視とは、網膜より前方でピントが合ってしまう目のことで、遠視とは状態や見え方が全く異なるものです。
近視の場合は、遠くにあるモノがぼんやりとしか見えなくなる一方で、近くのモノははっきりと見えます。
近視は、眼球の前後の長さが伸びてしまうことが原因です。
その発症には遺伝のほか、外出が少なかったりスマホやPCの画面を近くで見たりといった、生活環境が強く影響していると言われています。
近視についても基本的に治療法はなく、メガネやコンタクトレンズで視力を矯正します。
老眼との違い
老眼とは、加齢によって眼球前方の水晶体が硬くなり、ピントが合わせにくくなる目のことです。
老眼になると、メガネやコンタクトレンズで遠くのモノを見えるように矯正すると、手元の本や新聞がよく見えないといった症状が出ます。
水晶体はレンズのような形をしており、遠くを見る時は薄く、近くを見る時は厚くなるよう調整されています。
ところが、歳をとると水晶体が弾力性を失って、ピントを合わせづらくなるのです。
よく遠視と混同されることがありますが、このようにメカニズムは大きく異なります。
老眼は、遠視や近視などとは関係なく、45歳前後くらいから誰にでも起こるものです。
基本的に予防法はなく、遠近両用のメガネやコンタクトレンズで視力を補います。
2.遠視を矯正するコンタクトレンズとは?
次に、遠視を矯正するコンタクトレンズの仕組みや、度数の見方について解説します。
遠視用コンタクトレンズの仕組み
遠視用のコンタクトレンズは、凸レンズで作られています。
凸レンズは中央部分が厚くなっており、光を集めて焦点距離を短くすることができるからです。
遠視は網膜の後ろ側にピントがある状態ですが、凸レンズでこれを前に移動させてモノを見やすくしています。
一方で、近視用のコンタクトレンズは凹レンズで作られます。
凹レンズは中央部分が周囲より薄くなっており、光を弱める働きをするため、近視によって前側にあるピントを後ろへ移動することができるのです。
このように、近視用と遠視用のレンズの仕組みは全く異なります。
遠視用コンタクトレンズの度数
近視用と同様に、遠視用のコンタクトレンズにも度数があります。
度数は「+5.00」のように数値で表され、大きくなるほど矯正する力が強くなります。
また、遠視用のレンズには度数を表す数値の前に「+(プラス)」がつき、逆に「-(マイナス)」がつくものが近視用レンズです。
度数は数値とともに「D」が記載されることが多く、メーカーによっては「POWER」や「P」などで表現されます。
なお、コンタクトレンズの度数は一般的にメガネとは異なるため、注意が必要です。
コンタクトレンズは目の表面につけるものですが、メガネは目とレンズとの距離があるため、殆どの場合において度数には差が出ます。
3.遠視用のカラコンはある?
遠視用のカラコンはあり、実店舗や通販サイトで販売されています。
しかし、遠視用のカラコンは近視用に比べて種類が豊富とは言えません。
遠視の人の割合は近視よりも圧倒的に少なく、カラコンの需要もあまりないことが大きな理由です。
総務省が平成25年に行った調査によると、約1億2000万人という日本の人口のうち、3分の1にあたる約4,000万人が近視だと推計されています。
また日本人は人種的に、欧米人より近視になりやすいとも。
さらに近年では、スマホや携帯ゲーム機の普及によって、近視の増加に拍車がかかっています。
そのため近視のカラコンは需要が多く、種類も豊富にそろっているのです。
一方で統計データは見当たらないものの、遠視の日本人はあまり多いとは言えません。
それに伴ってカラコンの需要も少なく、種類も近視用ほど出回らないのが現状です。
4.遠視?近視?自己判断は禁物!眼科で正確に測定を
目の見え方がおかしいと感じても、自己判断でカラコンをつけるのは危険です。
視界がぼやけるなどの不調がある時は、眼科を受診して視力の正確な測定をおすすめします。
眼科検診の受け方
眼科で検診を受ける手順は、次の通りです。
- 近くの眼科に「カラコンを使うから目を見て欲しい」と連絡し、予約を取る
- 予約の日時に「健康保険証」と「診察代」を持って眼科に行く
- 受付を済ませ、問診票を記入する
- 検査機器を使った「屈折検査」と「視力検査」を受ける
- 医師による診察を受ける
- 問題なければ、自分に合うレンズが書かれた処方箋を受け取る
なお、診察代は初診で2,000円前後、再診であれば1,000円前後です。
目薬などが処方される場合は、別途費用がかかります。
定期検診も必要
処方箋をもらってカラコンの使用を開始してからも、必ず定期的に眼科を受診しましょう。
目にとってカラコンは異物であり、裸眼よりも少なからず負担をかけているからです。
また、眼病のほとんどは初期症状がなく、かゆみや違和感を感じるころには症状が進んでいる可能性があります。
視力は加齢や生活習慣によって変化しますので、カラコンの度数が合わなくなっていると目や体に不調が起きることも。
目の健康を保ちいつまでもカラコンを楽しむためにも、定期的な眼科の受診をおすすめします。
検診の頻度は、3ヶ月に一度がおすすめです。
5,まとめ
今回は、遠視用のカラコンの仕組みや度数の見方について解説しました。
眼球の前後が短くなることで起きる遠視は、遠くも近くもはっきり見えない目です。
遠視は治療法がなく、凸レンズのメガネやコンタクトレンズで視力を矯正します。
カラコンも存在しますが、種類はあまりないのが現状です。
遠視であっても近視であっても、自己判断でカラコンを装着するのはたいへん危険です。
目の見え方がおかしいと感じた方は一度、眼科での測定をおすすめします。